鏝絵(読み)コテエ

デジタル大辞泉 「鏝絵」の意味・読み・例文・類語

こて‐え〔‐ヱ〕【×鏝絵】

漆喰しっくいを使って左官職人が鏝で壁に浮き彫りにした絵。江戸中期に始まり、伊豆松崎町の左官、入江長八が大成させた。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の鏝絵の言及

【伊豆長八】より

…伊豆松崎村(現,静岡県賀茂郡松崎町)の農家に生まれ,12歳ごろ同郷の左官頭領関仁助に弟子入りし,20歳ごろに江戸へ出た。左官技術を磨くかたわら,谷文晁の高弟喜多武清や狩野派に絵を学んだといわれ,しっくいによるレリーフに色彩を施した鏝絵(こてえ)を大成させた。30歳を過ぎて松崎へ帰り,菩提寺である浄感寺本堂に〈八方にらみの竜〉や〈飛天〉の鏝絵を残した。…

【漆喰】より

…白色が普通であるが,灰墨を混ぜた鼠(ねずみ)漆喰もあって,江戸時代以降民家に用いられた。また,江戸時代中期には色のついた漆喰を用いて外壁に紋所や文字,絵などの浮彫をつくる鏝絵(こてえ)が行われたが,のちには伊豆長八(いずのちようはち)など名工が出,内部の壁にも及んだ。洋風建築では天井のランプ吊り周辺に唐草模様などをつくることが盛んに行われた。…

※「鏝絵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android