鏡なす(読み)カガミナス

デジタル大辞泉 「鏡なす」の意味・読み・例文・類語

かがみ‐なす【鏡なす】

[枕]
古代貴重品である鏡のように大切に思うの意から、「思ふ」にかかる。
「―が思ふいももありといはばこそ」〈・三二六三〉
鏡を見るように見るの意から、「見る」およびそれと同音の「み」を含む地名「み津」にかかる。
「―我が見し君を」〈・一四〇四〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「鏡なす」の意味・読み・例文・類語

かがみ‐なす【鏡なす】

(「なす」は「のように」の意の接尾語)
① 鏡は、古代大切なものであったので、鏡のように大切に思う意で、「思う」にかかる。
古事記(712)下・歌謡真玉(またま)なす 吾が思ふ妹(いも) 加賀美那須(カガミナス) 吾が思ふ妻」
② 鏡を見るように見るの意で、「みる(見)」およびそれと同音の「み」を含む地名「み津」にかかる。
万葉(8C後)二・一九六「しきたへの 袖たづさはり 鏡成(かがみなす) 見れども飽かず 望月(もちづき)の いやめづらしみ

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android