鏡川(読み)かがみがわ

精選版 日本国語大辞典 「鏡川」の意味・読み・例文・類語

かがみ‐がわ ‥がは【鏡川】

高知県中央部、工石山(くいしやま)に発し、高知市内を貫流して、浦戸湾に注ぐ川。全長三一キロメートル。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「鏡川」の意味・読み・例文・類語

かがみ‐がわ〔‐がは〕【鏡川】

高知県中部を流れる川。工石山くいしやまに源を発し、高知市を流れて、浦戸湾に注ぐ。長さ31キロ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「鏡川」の解説

鏡川
かがみがわ

[現在地名]平戸市鏡川町

平戸島の北部、戸石川といしがわ北西にある。北部の西に開く薄香うすか湾に五貫ごかん島・唐子からこ島が浮び、西部に北に深く開く古江ふるえ湾がある。西部の梅崎うめざきは栄西が杭州西湖の梅を持帰って植えた地といわれる。神応じんのう寺跡に鎌倉期と推定される五輪双塔(一・六メートル)があったが、現在は最教さいきよう寺裏手に移されている。塩売長者ともよばれる大渡長者が川内かわち浦と平戸を往来して塩の行商をしていたが、川内峠安満やすまん岳の白山権現を遥拝して九十九くじゆうく島の数ほどの船がもてるよう祈願していたところ、川内浦領主になるまでになったという。しかし財を譲る男子に恵まれなかったため娘とともに国司に献上、国司の子の安正は長者の遺徳に報いるために神応寺を建立したと伝える。双塔は長者夫婦の墓であるといわれ、川内峠に塩上げ石が残る。三本松さんぼんまつに一四世紀後半から一五世紀前半頃の五輪塔(安山岩質凝灰岩製)や、一六世紀後半以降の建塔とみられる佐賀型石塔などがある。

鏡川
かがみがわ

高知平野の北方に連なる工石くいし(一一七六・四メートル)高尻木たかじるき(八九七・四メートル)など諸山の水を集めて西流、土佐郡鏡村東南部から高知市北西部にわたって大きく曲流し、流路を東に変えて高知市街地を流れ浦戸うらど湾に注ぐ。最上流点を土佐郡土佐山とさやま菖蒲しようぶとし、全長三一キロ、流域面積一七〇平方キロの川。支流に吉原よしはら川・的淵まとぶち川・あな川などがある。中流は蛇行し河岸段丘が発達し、鏡村大利おおりに都市用水と発電を目的とした鏡ダム(昭和四一年建設)がある。

古代から中世にかけて現在の市街地は、鏡川の氾濫原で、三角洲上には集落は形成されず戦国時代になってもこの川は暴れ川であった。天正一六年(一五八八)長宗我部元親は大高坂おおだかさ山に居城を移したが、この地が大河に囲まれたうえ深淵が多く、さらに鏡川が「奥山より流れ出づる水強く、堤崩れ、町屋へ洪水入る事度々なりしかば、貴賤上下、これ如何にせんとぞ悲しみける」(土佐物語)という状態で放棄せざるをえなかった。長宗我部地検帳に鏡川は「大高坂大川ヨリ北地ハひ島海を詰テ西ハ杓田境四郎カ岡ヲ限テ南ハ大川」、あるいは「潮江ノ川」「南川」などとあるように、定まった名がなかったようである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鏡川」の意味・わかりやすい解説

鏡川
かがみがわ

高知県中央部を南東流する川。延長31キロメートル。高知市北部の山間地に位置する工石(くいし)山に源を発して南流し、同市西部で向きを東に変え、中心市街地を東流して浦戸湾に注ぐ。中流域では小規模な河岸段丘を発達させ、鏡ダムは都市用水を供給する。高知市街地西部では小規模な扇状地を形成し、伏流水は明治時代に製紙、製糸業の立地条件をなした。下流部は高知城下町の外堀をなし、潮江川(うしおえがわ)ともよばれた。釣り、水泳にと高知市民に親しまれてきたが、一方では洪水災害ももたらした。近年、河川改修工事により河川敷の一部は都市緑地となった。

[正木久仁]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「鏡川」の意味・わかりやすい解説

鏡川 (かがみがわ)

高知県中部,高知市の工石山に源を発し,高知市で浦戸湾に注ぐ川。幹川流路延長31.5km。全流域面積171.5km2。中流には河岸段丘が発達し,1966年には都市用水供給と発電を目的とする鏡ダムが建設された。下流では江ノ口川を分けて三角州を形成し,高知市西部での製紙・製糸業立地の背景をなすとともに,高知の城下町時代には外堀の役割も果たした。洪水災害も多かったため,河川改修が進められた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル大辞泉プラス 「鏡川」の解説

鏡川

日本のポピュラー音楽。歌は男性演歌歌手、鏡五郎。2015年発売。作詞:仁井谷俊也、作曲:山崎剛昭。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android