長与 専斎(読み)ナガヨ センサイ

新訂 政治家人名事典 明治~昭和 「長与 専斎」の解説

長与 専斎
ナガヨ センサイ


肩書
貴院議員(勅撰),内務省衛生局長,元老院議官

別名
字=乗継 号=松香

生年月日
天保9年8月28日(1838年)

出生地
肥前国大村(長崎県)

経歴
大村藩侍医の子として生まれ、安政元年大坂の緒方洪庵の適塾に入門、5年福沢諭吉の後を受けて塾頭となる。文久元年長崎でポンペに、慶応2年ボードゥインに師事。4年長崎精得館医師頭取、明治元年長崎府医学校学頭となる。4年上京して文部少丞、文部中教授を兼任。同年、岩倉遣外使節に随行し、ドイツ、オランダで医学教則、医師制度を調査、6年帰国。同年文部省医務局長、翌7年東京医学校校長を兼任、同校を本郷前田邸跡に新築、東京大学医学部と改称し、その副綜理となる。8年内務省医務局長、第七局長を経て、11年初代衛生局長となり、24年まで務めた。種痘法を実施し、輸入薬品を検査する司薬場、牛痘種継所などの設置、コレラなどの伝染病予防規則の布告、上下水を改良するための衛生工事を行うなど、わが国公衆衛生の基礎を築いた。この間日本薬局方編纂委員、中央衛生会会長、大日本私立衛生会会頭、元老院議官、貴院議員、宮中顧問官などを歴任した。著書に自伝「松香私志」「松香遺稿」がある。没後43年功により継嗣子称吉に男爵授爵。

没年月日
明治35年9月8日

家族
息子=長与 称吉(医師) 長与 又郎(病理学者・東大総長) 岩永 裕吉(同盟通信初代社長) 長与 善郎(小説家)

出典 日外アソシエーツ「新訂 政治家人名事典 明治~昭和」(2003年刊)新訂 政治家人名事典 明治~昭和について 情報

367日誕生日大事典 「長与 専斎」の解説

長与 専斎 (ながよ せんさい)

生年月日:1838年8月28日
明治時代の医学者;医政家。東京医学校校長;衛生局長;貴族院議員
1902年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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