長南町(読み)ちようなんまち

日本歴史地名大系 「長南町」の解説

長南町
ちようなんまち

面積:六五・三八平方キロ

市原市の東にあり、長生郡の南西部を占める。北は長柄ながら町で、北東部は茂原もばら市、南東部は睦沢むつざわ町、南部は夷隅いすみ大多喜おおたき町と接する。南西部は山林で、北東部は耕地が広がり、国道四〇九号が通る。一宮いちのみや川支流の埴生はぶ川などが東流する。笠森かさもり観音を中心とする一帯は笠森鶴舞かさもりつるまい県立自然公園となっている。縄文時代の遺跡には関原せきばら貝塚豊原峰台とよはらみねだい遺跡などがあり、弥生時代の遺跡では芝原根田しばはらねだ遺跡などが確認されている。同じ芝原能満寺のうまんじ古墳では太刀・銅鏡片などが検出され、四世紀前半の築造と推定される。これに次ぐのが油殿あぶらでん古墳群で、四世紀後半の首長墓とされる。一宮川流域の又富またどみ棚毛たなげ米満よねみち各地区などでは丘陵斜面に七―八世紀とされる横穴が多くみられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「長南町」の意味・わかりやすい解説

長南〔町〕
ちょうなん

千葉県中部にある町。 1955年庁南 (ちょうなん) 町と東 (ひがし) ,西 (にし) ,豊栄 (とよさか) の3村が合体して成立房総半島の丘陵地帯を占め,近世の初めは城下町,のち市場町として発展。主産業は農業林業。隣接する茂原市や,千葉市への通勤者も多い。重要文化財笠森観音堂があり,舞台造の特異な建築様式は有名。また重要文化財の木造阿弥陀如来座像のある報恩 (ほうおん) 寺がある。郷土民芸玩具として長い伝統をもつ芝原人形でも知られ,その製作技法は県の指定文化財。笠森鶴舞県立自然公園に属し,笠森寺自然林は天然記念物。面積 65.51km2人口 7198(2020)。

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