長寿遺伝子(読み)チョウジュイデンシ

デジタル大辞泉 「長寿遺伝子」の意味・読み・例文・類語

ちょうじゅ‐いでんし〔チヤウジユヰデンシ〕【長寿遺伝子】

サーチュイン遺伝子

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「長寿遺伝子」の解説

長寿遺伝子

老化寿命を顕著にコントロールする遺伝子群。この中にはクロック遺伝子、スローグロース遺伝子、age‐1、あるいはdaf‐2などの遺伝子群が知られている。クロック遺伝子群は代謝呼吸で中心的な役割を果たす調節たんぱく質をつくる。この遺伝子の変異が起こると、代謝速度が減少し、細胞周期胚発生、老化および寿命が全体的に延びると考えられている。また酸素代謝の副産物である活性酸素の生成も少なくなることから、老化が起こりにくくなると考えられる。クロック遺伝子はまず線虫で見つかったものであるが、ラットマウスヒトなどでも同様の遺伝子が分離されている。age‐1、daf‐2という遺伝子に変異が起こると、代謝回転が遅くなり、さらに酸化ストレスが減り、寿命が延長するといわれている。

(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android