長島(鹿児島)(読み)ながしま

百科事典マイペディア 「長島(鹿児島)」の意味・わかりやすい解説

長島(鹿児島)【ながしま】

鹿児島北西部,八代(やつしろ)海南端東シナ海との境に位置する島。面積90.62km2天草(あまくさ)諸島のうちで,沈水性の地形を呈し,北に伊唐(いから)島・諸浦(しょうら)島・獅子(しし)島などがある。南東は幅1kmに満たない黒之瀬戸(くろのせど)を挟み阿久根(あくね)市,北西は幅約3kmの長島海峡を隔て熊本県天草下島と対峙する。大部分は新第三紀の安山岩からなり,最高点は島中央部の矢(や)岳(402m)。古くは肥後国天草郡に属したが,中世末頃に薩摩国出水(いずみ)郡に編入されたとみられ,現在は鹿児島県長島町となっている。 778年に遣唐使船が遭難して漂着した〈西仲島〉は,長島のこととされる。中世には大蔵氏の一族が進出,長島氏を号し戦国期まで支配した。江戸時代は鹿児島藩領で,藩領の北西端に位置したため番所などが置かれた。現在は黒之瀬戸大橋により九州本土と結ばれ,天草〜本土間のフェリーも就航している。ハマチ,タイの養殖を中心とする水産業と,養豚・養鶏・園芸中心の農畜産業が盛ん。島北西部は雲仙天草国立公園に属し,全域が国指定天然記念物カラスバトの生息地となっている。ウンシュウミカン発祥の地,古墳の島としても知られる。
→関連項目東[町]鹿児島[県]

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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