長治(読み)チョウジ

デジタル大辞泉 「長治」の意味・読み・例文・類語

ちょうじ〔チヤウヂ〕【長治】

平安後期、堀河天皇の時の年号。1104年2月10日~1106年4月9日。

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精選版 日本国語大辞典 「長治」の意味・読み・例文・類語

ちょうじ チャウヂ【長治】

平安時代、堀河天皇の代の年号。康和六年(一一〇四)二月一〇日に天変のため改元、長治三年(一一〇六)四月九日に嘉承元年となる。関白藤原忠実出典は「漢書」の「建久安之勢、成長治之業」による。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「長治」の意味・わかりやすい解説

長治
ちょうち / チャンチー

中国山西(さんせい)省南東部の地級市。2市轄区、長治県など10県を管轄し、潞城(ろじょう)市の管轄代行を行う(2016年時点)。人口339万2000(2014)。太行(たいこう)山脈の南部を横断して華北平原に注ぐ衛河(えいが)の支流、濁漳河(だくしょうが)(潞水)の上流に開ける盆地に位置し、中原(ちゅうげん)を望む要地として、春秋戦国時代から各国が領有を争う所であった。秦(しん)はここに上党(じょうとう)郡を置き、漢は壺関(こかん)県、長子県などを置き、その後も上党、潞州、潞安府の中心であった。

 長治とその南の晋城(しんじょう)(沢州(たくしゅう))にかけて豊富な石炭、鉄鉱石が分布し、古くから鉄製品が生産され、とくに針や釘(くぎ)は全国でその名を知られていた。現在も製鉄、機械工業が発達している。そのほか毛織物業、酒造業も伝統的産業である。太焦線(太原(たいげん)―焦作(しょうさく))と邯長(かんちょう)線(邯鄲(かんたん)―長治)が交差する交通要衝で、市街近くには長治王村空港がある。

[秋山元秀・編集部 2017年10月19日]

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改訂新版 世界大百科事典 「長治」の意味・わかりやすい解説

長治 (ちょうち)
Cháng zhì

中国華北地区,山西省の南東部にある鉱工業都市。人口65万(2000)。濁漳河上流部にあり,太新鉄道(太原~新郷)に沿い,長治北駅から邯長線(邯鄲~長治)を分岐する。秦代壺関県がおかれ,隋代上党県となり,明代に長治県と改められ,潞安府の府治となった。この地は,河北,河南に通ずる要衝の地で,唐代,昭義節度使の根拠であった。五代の時代は南北勢力が角逐し合う舞台となった。1954年潞城県と合併,潞安県となった。また45年長治県の市街地に市制がしかれ,長治市となっていたが,58年旧長治県の地域が長治市に合併され,その後62年長治市と長治県が分離した。長治市は省直轄市だが晋東南地区の行政機関は同市に置かれている。潞南地区の炭田の中心で,鉄鋼,化学,機械など重化学工業が発達している。市内に昔の上党郡衙の大門が残り,明代の観音堂が残る。
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日本の元号がわかる事典 「長治」の解説

ちょうじ【長治】

日本の元号(年号)。平安時代の1104年から1106年まで、堀河(ほりかわ)天皇の代の元号。前元号は康和(こうわ)。次元号は嘉承(かしょう)。1104年(康和6)2月10日改元。天変を理由に行われた(災異改元)。『漢書(かんじょ)』を出典とする命名。長治年間は、白河(しらかわ)上皇による院政が行われていた。白河は1086年(応徳(おうとく)3)、8歳の堀河天皇に譲位することで、その後見として院政を開始した。さらに1099年(康和1)に関白の藤原師通(もろみち)が急逝すると、一族の内紛もあって藤原氏の影響力は急速に低下し、権力は白河上皇に集中した。堀河天皇は政務に熱心に取り組んだが、白河院政が強化されるにつれ、次第にその関心は音楽や和歌に移っていったといわれる。

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百科事典マイペディア 「長治」の意味・わかりやすい解説

長治【ちょうち】

中国,山西省南東部,邯長(邯鄲〜長治北),太焦(太原〜焦作)鉄路が交差する交通の要衝にある新興工業都市。石炭,鉄鋼,機械,化学,繊維,印刷などの工業が盛ん。薬用ニンジン(党参)と鉄釘(くぎ)は特産品。74万人(2014)。

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世界大百科事典(旧版)内の長治の言及

【山西[省]】より

…(2)晋東山地 おもに東部と南東部にわたり,太行山脈を中心として北東から南西へ恒山,五台山,繫舟(けいしゆう)山,太岳山,中条山の諸山脈が走っている。すべて標高1500m以上で,山間に長治,平定,晋城,寿陽等の盆地が散在し,太行山脈中には娘子関(じようしかん),天井関(てんせいかん)(太行関)など,山西高原から華北平原に通ずる重要な峠道がある。北の内長城線には雁門関(がんもんかん),平型関等の要害があり,とくに雁門関の南北では気候と農作物に大差がみられる。…

※「長治」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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