長者譚(読み)ちょうじゃたん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「長者譚」の意味・わかりやすい解説

長者譚
ちょうじゃたん

長者を主人公とした伝説や昔話。2通りに大別される。一つは長者没落譚であり,もう一つは貧しい男が長者に出世した話である。前者に属するものには,古く『豊後国風土記』や『山城国風土記』逸文に,長者が餅を的にして矢を射たところ白鳥が飛去って長者は没落した話がある。また鳥取県の湖山長者の伝説は,田植えを1日で終えようとしたが日没までに終らないので,金扇で西山に入ろうとした太陽を招き返したが,翌朝,田はことごとく陥没して湖となってしまったというもの。後者の代表的な話は炭焼き長者の名で語られている。全国各地には長者の屋敷跡といわれる伝説の地があり,そこには金の鶏が埋められているなどの言い伝えが残されている。

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