閃ウラン鉱(読み)せんウランこう(英語表記)uraninite

翻訳|uraninite

精選版 日本国語大辞典 「閃ウラン鉱」の意味・読み・例文・類語

せん‐ウランこう ‥ウランクヮウ【閃ウラン鉱】

〘名〙 (ウランはUran) ウランの酸化物主成分とする鉱物。ウランの重要鉱石。ふつう少量のトリウム、鉛、ヘリウムなどを含み、強い放射能をもつ。黒色・不透明でもろい。結晶は等軸晶系。粒状塊状などで熱水鉱床ペグマタイト中などに産し、塊状・非結晶のものを特にピッチブレンド瀝青ウラン鉱)という。〔英和和英地学字彙(1914)〕

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デジタル大辞泉 「閃ウラン鉱」の意味・読み・例文・類語

せん‐ウランこう〔‐クワウ〕【×閃ウラン鉱】

酸化ウランを主成分とする鉱物。灰黒色で亜金属光沢がある。等軸晶系八面体立方体結晶や塊状・粒状で産出非晶質のものをピッチブレンド瀝青れきせいウラン鉱)という。ウランの鉱石。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「閃ウラン鉱」の意味・わかりやすい解説

閃ウラン鉱
せんうらんこう
uraninite

ウランの鉱石鉱物の一つ。比較的深所生成の低~高温熱水鉱床、花崗(かこう)岩質ペグマタイト、炭質物に富む堆積(たいせき)岩中などに産する。自形は立方体を基調とする立体。塊状のものは不純で水分などを含み、不定形でピッチのような外観をもつことからピッチブレンドpitchblende(和名瀝青(れきせい)ウラン鉱)ともよばれる。日本では、福島県川俣町飯坂(いいざか)、同いわき市、福岡県川崎町小峠(ことうげ)、石川県羽咋(はくい)市長手(ながて)島などの花崗岩質ペグマタイトから発見されている。元素ウランはこの鉱物から発見された。英名は成分にちなむ。

加藤 昭]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「閃ウラン鉱」の意味・わかりやすい解説

閃ウラン鉱
せんウランこう
uraninite

UO2 。等軸晶系の鉱物。比重 6.5~10,硬度5~6。黒色または帯黒褐色。ウランの主要な鉱石鉱物。結晶は正六面体を示すものが多い。微晶質の集合体はピッチブレンドと呼ばれる。天然産の閃ウラン鉱は常に過剰の酸素を含んでおり,UO2.15 ~ UO2.6 の組成をもつ。トリアン石 ThO2 との間には固溶体を形成する。古い地質時代に生成した閃ウラン鉱は,放射源の鉛とヘリウムを顕著に含んでいる。花崗岩質岩石中のペグマタイト中や熱水鉱脈,あるいは堆積岩中に濃集して鉱床をつくる。

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