開城(ケソン)工業団地(読み)けそんこうぎょうだんち

知恵蔵 「開城(ケソン)工業団地」の解説

開城(ケソン)工業団地

韓国が南北経済協力事業として軍事境界線に近い北朝鮮の開城で造成している工業団地。事業主体は旧現代(ヒョンデ)財閥系の現代峨山(ヒョンデアサン)と韓国土地公社で、2003年6月に着工し、04年秋に一部稼働した。07年5月現在で衣類や靴、台所用品など韓国の中小企業約70社の入居が決まり、23工場が稼働、造成も含めて約1万8000人の北朝鮮人労働者を雇用している。1人当たりの平均月収は約70ドル。将来的には66平方キロメートルを開発し、2000社が入る構想だ。一方で、例えば、米国は団地で製造された物品を韓国産と認定せず、また団地に進出した韓国企業の払う賃金がいったん北朝鮮当局に納められ、当局の貴重な収入源となっていることを問題視してもいる。

(2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android