開巻驚奇侠客伝(読み)カイカンキョウキキョウカクデン

デジタル大辞泉 「開巻驚奇侠客伝」の意味・読み・例文・類語

かいかんきょうききょうかくでん〔カイクワンキヤウキケフカクデン〕【開巻驚奇侠客伝】

読本。4集20巻。曲亭馬琴著。天保3~6年(1832~35)刊。新田氏と楠氏の子孫が、足利あしかが将軍時代南朝のため忠義を尽くす物語未完。嘉永2年(1849)萩原広道が続編5集5巻を著したが、これも未完。

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精選版 日本国語大辞典 「開巻驚奇侠客伝」の意味・読み・例文・類語

かいかんきょうききょうかくでん カイクヮンキャウキケフカクデン【開巻驚奇侠客伝】

読本。曲亭馬琴作。五集二五巻二八冊。天保三年(一八三二)から同六年にかけて大坂、河内屋茂兵衛から刊行。第五集は嘉永二年(一八四九)に同書肆から刊行。南朝の忠臣、脇屋義隆の遺児小六と、楠氏の子孫である姑摩姫を主人公にし、足利氏の世にありながら、協力して南朝に忠誠を尽くす物語。四集を出したあと、馬琴が病のため未完のままであったのを、萩原広道があとをついだが、これも未完に終わった。中国の「女仙外史」「好逑伝」や実録「明智光秀養女盛姫伝」を素材とし、馬琴の尊王思想が盛り込まれている。

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