開関(読み)かいげん

精選版 日本国語大辞典 「開関」の意味・読み・例文・類語

かい‐げん【開関】

〘名〙 朝廷大礼(たいれい)または変乱などがすんだ後、固めていた逢坂鈴鹿不破三つの関を開いて警備を解く儀式。ただし、三つの関の実質的な機能は、平安初期以降すでに失われていた。かいかん。⇔固関(こげん)
日本紀略‐延長八年(930)一一月二五日「詔、解陣、開関」

かい‐かん ‥クヮン【開関】

〘名〙
城門関所税関などを開くこと。〔楚辞離騒

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デジタル大辞泉 「開関」の意味・読み・例文・類語

かい‐げん【開関】

《「かいかん」とも》古代、朝廷の大礼または変乱などが済んだあと、固めていた逢坂おうさか(はじめは愛発あらち)・鈴鹿すずか不破ふわの三つの関を開いて警護を解くこと。⇔固関こげん

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普及版 字通 「開関」の読み・字形・画数・意味

【開関】かいかん(くわん)

城門を開く。晋・潘岳西征の賦〕或いは關を開いて、以て(ひ)き、競ひて遯(とんたう)して、以て(ほんざん)す。

字通「開」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の開関の言及

【固関】より

…以後神亀6年(729)2月左大臣長屋王の謀反密告,天平勝宝8年(756)5月聖武太上天皇の没,天平宝字8年(764)9月の恵美押勝の反乱等,天皇・太上天皇の病・没・譲位,謀反等の重大事が中央でおこった場合,固関使を三関国に派遣して関門を閉じ交通を遮断させた。事態終了後は関を開いたが,これを開関という。固関は京に反乱がおこった際,あるいは天皇が没する等の政情不安定なときに,反乱者が東国に入り,そこを拠点とすることを防ぐという軍事的目的をもつものであった。…

※「開関」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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