デジタル大辞泉
「関山」の意味・読み・例文・類語
せき‐やま【関山】
関所のある山。また、関所と山。
「我が身こそ―越えてここにあらめ」〈万・三七五七〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
せき‐やま【関山】
[1] 〘名〙
① 関所のある山。また、関所と山。
※万葉(8C後)一五・三七五七「吾(あ)が身こそ世伎夜麻(セキヤマ)越えてここにあらめ心は妹によりにしものを」
②
サトザクラの園芸品種。花は濃紅色で美しく大輪で径四・五~五センチメートルになり、
八重咲き。花弁には
大小あり、大花弁は三〇~四〇枚、小花弁は一五枚ぐらい。花期は遅く四月下旬で、広く
各地の
庭園などで、栽植される。
かんざん。
※
大和(947‐957頃)御巫本附載「関山の嵐の声のあらければ君にあふみは名のみなりけり」
かん‐ざん クヮン‥【関山】
〘名〙
※
新編覆醤集(1676)三・訪僧雲居於正法山「今宵満奮難
レ投
レ宿、只恐関山霜月寒」 〔徐陵‐関山月詩〕
② 関所の近くの山。関所のある要害の山。
※
海道記(1223頃)序「意馬荒猿にはす、関山千程の雲に鞭うたす」 〔
木蘭辞〕
せき‐の‐やま【関山】
〘名〙 それ以上できないという限度。最上の程度。いくら力一ぱいしてもそのくらいまでだということ。精いっぱい。
※
浮世草子・当世乙女織(1706)二「
奈良屋が仕出し料理、壱匁弐分膳が関
(セキ)の山なり」
※
滑稽本・
浮世風呂(1809‐13)四「おまへかたは
大山参(おほやまめへり)に
御神酒を納に行くか、成田さまへの旅位
(くれへ)がせきの山だらう」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
関山
せきやま
鈴鹿川支流の中津川上流の西側、現坂下・沓掛の西南一帯の山々の総称。東西約五キロ、南北約二キロ、標高二〇〇―五〇〇メートル。通称はバンドウ山で、中津河山・中津子山ともいう。
慶長一二年(一六〇七)亀山藩は白木村(現亀山市)与助に近辺の藩有林を管理させたが、そのなかに関山の名がある(九九五集)。同書によれば正保二年(一六四五)坂下村・沓掛村・市瀬村の三ヵ村は「関山往古より亀山御城附山我分明之処、正保二酉年及申分新法に坂の下・沓掛・市ノ瀬より理不尽申懸ケ候ニ付」と他村より入会の利用をめぐって訴えられ、従来どおりの利用のみに制限された。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
かんざん【関山】
岩手の日本酒。酒名は、平泉中尊寺の山号「関山」に由来。大吟醸酒、純米吟醸酒、吟醸酒、純米酒、本醸造酒、普通酒がある。平成7、11、12、19、23~25年度全国新酒鑑評会で金賞受賞。原料米は山田錦、美山錦など。仕込み水は磐井川の伏流水。蔵元の「両磐酒造」は昭和19年(1944)一関管内の16の酒造業者が企業合同し設立。所在地は一関市末広。
出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報
関山
かんざん
[生]建治3(1277)
[没]正平15=延文5(1360)
鎌倉時代から南北朝時代の臨済宗の僧。信濃の人。 21歳のとき建長寺東伝和尚について出家し,のち大燈国師に参じて法を継いだ。妙心寺の開山。仏心覚照,大定聖応の禅師号を受け,無相大師と諡を賜わった。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
関山 (カンザン)
学名:Prunus lannesiana
植物。バラ科の落葉高木
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
関山(かんざん)〔日本酒〕
岩手県、両磐酒造株式会社の製造する日本酒。全国新酒鑑評会で金賞の受賞歴がある。
関山(かんざん)〔飲食チェーン〕
株式会社京樽が展開する寿司販売店のチェーン。持ち帰り専用。
出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報
世界大百科事典(旧版)内の関山の言及
【サクラ(桜)】より
…法輪寺や福禄寿,楊貴妃(ようきひ)などは花弁が15~20枚ある淡紅色大輪の花が咲く。公園によく植栽されている関山(かんざん)や普賢象(ふげんぞう)には花弁が30枚内外ある大きな花が咲き,これらの花を塩漬にしたものは桜湯に使われている。普賢象は室町時代から知られている古い品種で,花は長い柄があって垂れさがり,緑色の葉状に変化しためしべが2本ある。…
【妙高[村]】より
…[妙高山]の北東麓を占め,東は斑尾(まだらお)山を境に長野県に接し,村の中央を関川が流れる。中心集落の関山は近世に信濃に通じる北国街道の宿場町として発達した。妙高山中腹には妙高高原温泉郷の中で最も古い[関温泉]や[燕(つばめ)温泉]があり,明治初期から温泉街が形成された。…
※「関山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」