関税化(読み)かんぜいか(英語表記)tariffication

翻訳|tariffication

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「関税化」の意味・わかりやすい解説

関税化
かんぜいか
tariffication

農産物貿易関税以外のすべての輸入規制を関税に置き換える措置で,1990年7月のウルグアイ・ラウンドでドゼウ議長が提唱し,91年 12月の最終合意案に継承された。最終合意案では各国が行なっている数量制限などさまざまな輸入障壁を,原則として 86~88年の農産物の平均内外価格差をもとに設定した関税に一本化し,その後徐々に削減していくというものである。日本の米の場合は,同期間の内外価格差から 700%の高関税率となる。日本は新ラウンドで「関税化の例外扱い」を一貫して主張,米については,6年間関税化を猶予することで最終決着した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「関税化」の意味・わかりやすい解説

関税化
かんぜいか
tariffication

輸入数量制限などあらゆる貿易障壁を関税に置き換え、その関税化の比率を段階的に引き上げていくことで障壁を削減し、自由化していこうという考え。ガットのウルグアイ・ラウンドの農業交渉のなかアメリカが提案、「例外品目なき関税化」を軸に主要国間の調整が進められた。日本は1993年(平成5)12月、米については6年間の猶予期間を設けて関税化を受け入れることを決定、1999年4月から実施したが、同時に米を特別セーフガードの対象品目として緊急輸入制限を行えるようにした。

[原 正輝]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android