闇の夜(読み)やみのよ

精選版 日本国語大辞典 「闇の夜」の意味・読み・例文・類語

やみ【闇】 の 夜(よ)

万葉(8C後)四・五九二「闇夜(やみのよ)に鳴くなる鶴の外のみに聞きつつかあらむ逢ふとはなしに」
② 「やみ(闇)の夜の錦」の略。
落窪(10C後)三「御帯もさらにかかる翁の身には、やみの夜に侍るべければ、かへしまゐらせんと思ひ給ふれど」
※浮世草子・好色盛衰記(1688)三「あとさきかまはぬ物。闇(ヤミ)の夜(ヨ)になりぞこなひの瓢箪
④ 歌舞伎下座音楽の一つ。江戸吉原の傾城出入りに用いる下座唄。長唄揚巻冒頭一節で、渡り拍子・当り鉦・大太鼓の通り神楽を入れる。

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デジタル大辞泉 「闇の夜」の意味・読み・例文・類語

やみ‐の‐よ【闇の夜】

やみよ」に同じ。
闇の夜の錦」の略。
「この御使なくは、―にてこそくれぬべかりけれ」〈澪標
《闇の夜はあとさきのわからないところから》ひょうたんの上下同形のもの。根付などに珍重された。闇の夜の瓢箪ひょうたん
「―になりぞこなひの瓢箪」〈浮・好色盛衰記〉

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