防火ガラス(読み)ぼうかがらす(英語表記)fireproof glass

日本大百科全書(ニッポニカ) 「防火ガラス」の意味・わかりやすい解説

防火ガラス
ぼうかがらす
fireproof glass

遮炎性能、遮熱性能および非損傷性能に優れたガラス。外壁延焼のおそれのある部分に開口部を設ける場合、遮炎性能または準遮炎性能のある防火戸などの防火設備の設置が義務づけられており、遮炎性や非損傷性に優れた網入りガラスや耐熱ガラスが用いられる。網入りガラスは、金属製の網をガラス内部に挿入したガラスで、金網によってガラス破片の脱落を防止する。耐熱ガラスは火炎の熱衝撃に対し破損しないように強度を上げたガラスで、加熱されても膨張しにくい低熱膨張ガラスやゼロ膨張結晶化ガラス、あるいはあらかじめ熱処理によりガラス表面に強化層を設けた耐熱強化ガラスなどがある。また、遮炎性や非損傷性に加え、遮熱性に優れた積層ガラスが開発されている。これは、板ガラスと特殊樹脂を交互に積層した構造からなり、普段は透明度の高い安全ガラスだが、火災時には特殊樹脂が熱により発泡して、放射熱を遮断する壁へと変化する特性を有している。防火区画壁、避難通路、避難階段の間仕切壁に用いられている。

[伊藤節郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

リフォーム用語集 「防火ガラス」の解説

防火ガラス

建築基準法上の乙種または甲種防火戸に使用できるガラス。この場合は、認定されたサッシ・枠と一体かつ、製品・施工仕様などの規定にもとづいて使用する。透明タイプや熱線吸収・反射タイプ、色付ガラスなど、さまざまな製品がある。網入ガラスは乙種防火戸に使用できる。

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