陥溺(読み)かんでき

精選版 日本国語大辞典 「陥溺」の意味・読み・例文・類語

かん‐でき【陥溺】

〘名〙
水中に落ちおぼれること。
※藤樹文集(1648頃)五・意「躓邪径、陥溺淤泥
② 好ましくない状態に陥り、そこから抜け出られないようになること。酒色におぼれたり、貧窮におちいったりすること。
※春鑑抄(1629)五常人欲のわたくしに陥溺(カンデキ)せられて、仁心をうしなふぞ」 〔孟子告子・上〕
③ 人を陥れること。しいたげ苦しめること。
※改正増補和英語林集成(1886)「タミ ヲ kandeki(カンデキ)スル〈訳〉人民を苦しめる」 〔孟子‐梁恵王・上〕

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デジタル大辞泉 「陥溺」の意味・読み・例文・類語

かん‐でき【陥溺】

[名](スル)
水の中に落ちておぼれること。
酒色にふけること。理性を失って遊びなどに熱中すること。耽溺たんでき
窮地に陥ること。
私蓄あばいて―を救う」〈鴎外大塩平八郎

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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