デジタル大辞泉
「陰徳」の意味・読み・例文・類語
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いん‐とく【陰徳】
〘名〙
① 人に知られない善行。ひそかに施す恩徳。かくれた
功績。
陰騭(いんしつ)。
※本朝文粋(1060頃)七・奉左丞相書〈
三善清行〉「紛乱之間。授攘之会。宜
下立
二其陰徳
一、塞
中怨門
上」
※太平記(14C後)一四「陰徳
(イントク)遂に露れて、今
天下の武将に備はり給ひければ」 〔
史記‐韓世家賛〕
② 地の徳。転じて、女性の守るべき
道徳。婦徳。〔礼記‐昏義〕
③ 性的に相手を満足させる行為を①にかけてしゃれていう語。
※本朝文粋(1060頃)一二・鉄槌伝〈羅泰〉「
鉄子、木強能剛。老而不
レ死。屈而更長。已施
二陰徳
一誠号
二摩良
一」
④ 陰陽道で
十干の内、乙・丁・己・辛・癸の五をいう。陽徳の五干(甲・丙・戊・庚・壬)に配されて、はじめて徳を現わすとする。
⑤ 九星で陰徳の神がつかさどる日。この日に善行を行なうとよい報いがあるとする。正月、七月は酉の日、二月、八月は未の日、三月、九月は巳の日、四月、一〇月は卯の日、五月、一一月は丑の日、六月、一二月は亥の日。
⑥ 東洋天文学における星の名。紫微垣の内、尚書の西にある施徳をつかさどる二星。小熊座の端にあたる。〔
和漢三才図会(1712)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「陰徳」の読み・字形・画数・意味
【陰徳】いんとく
隠れた善行。〔史記、淮南王安伝〕安、人と爲り讀書鼓琴を好む。~亦た陰を行ふを以て、百姓を拊循し、譽を天下にさんと欲す。字通「陰」の項目を見る。
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