陰森(読み)いんしん

精選版 日本国語大辞典 「陰森」の意味・読み・例文・類語

いん‐しん【陰森】

〘名〙 (形動ナリ・タリ)
樹木が茂って暗いさま。
※和漢朗詠(1018頃)下「陰森たる古柳疎槐、春にして春の色なし〈公乗億〉」 〔孟浩然‐庭橘詩〕
② 薄暗く、ものさびしいさま。
※徂徠集(1735‐40)一四「日月蔽虧、陰森窅冥」
金色夜叉(1897‐98)〈尾崎紅葉〉後「さらぬだに陰森(インシン)たる夜色は益す冥(くら)く」 〔李紳‐過荊門詩〕

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デジタル大辞泉 「陰森」の意味・読み・例文・類語

いん‐しん【陰森】

[ト・タル][文][形動タリ]
樹木が生い茂って暗いさま。
「―として、日を蔽う森の梢を仰ぎ見て」〈魯庵社会百面相
薄暗くてもの寂しいさま。
「さらぬだに―たる夜色は益すくらく」〈紅葉金色夜叉

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普及版 字通 「陰森」の読み・字形・画数・意味

【陰森】いんしん

うす暗く茂る。唐・孟浩然〔庭橘〕詩 發(よあけ)群物を覽るに 木何ぞ陰森たる

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