陸繫島(読み)りくけいとう(英語表記)land tied island

改訂新版 世界大百科事典 「陸繫島」の意味・わかりやすい解説

陸繫島 (りくけいとう)
land tied island

大陸(または大きな島)から離れていた海岸近くの島が,細長い砂州または三角形をした尖角州cuspate spitと呼ばれる砂地形の発達によって,陸続きになった場合に,この島を陸繫島という。またこの島と本土をつなぐ砂州をとくに陸繫砂州(トンボロtombolo)という。海岸近くに離れ島があると,沖合から打ち寄せる波は島のために屈折あるいは回折して,島の後ろ側に回りこむ。そこでは島の両側から回りこんできた波がお互いにエネルギーを打ち消すために波静かとなる。そこへ海岸に沿う沿岸流や沿汀流によって砂礫が運ばれてくると堆積されやすく,砂州や尖角州をつくり,島と本土が陸続きとなる。紀伊半島南端の潮岬,湘南海岸の江の島,北海道の函館山,外国ではスペイン南端のジブラルタル,イタリア西岸のモンテ・アルヘンタリオなどが有名な例である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android