隆明(読み)りゅうみょう

朝日日本歴史人物事典 「隆明」の解説

隆明

没年長治1.9.14(1104.10.4)
生年寛仁3(1019)
平安中期の天台宗の僧。一説に寛仁4(1020)年,同5年生まれ。羅惹院僧正と号する。権中納言藤原隆家の子。明尊師事。白河,堀河天皇護持僧を勤め,白河上皇授戒近江(滋賀県)園城寺に羅惹院を創建,三室戸寺(京都府宇治市)を再興する。崇福寺,梵釈寺別当歴任承徳2(1098)年に園城寺長吏となり,法成寺執行職を寺門派の僧に固定するよう申請。康和2(1100)年,園城寺の大衆に住房を焼かれ,長吏を甥の増誉に譲る。同4年大僧正に昇進。増誉が修験道に通じたのに対し,隆明は寺内での顕密二教の修学に励んだという。

(岡野浩二)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「隆明」の解説

隆明 りゅうみょう

1020-1104 平安時代中期-後期の僧。
寛仁(かんにん)4年生まれ。藤原道隆の孫。藤原隆家の子。天台宗。近江(おうみ)(滋賀県)園城(おんじょう)寺の心誉,明尊にまなぶ。白河天皇,堀河天皇の護持僧をつとめた。山城(京都府)三室戸(みむろど)寺を再興。近江崇福寺別当をへて承徳(じょうとく)2年園城寺長吏。康和4年大僧正。長治(ちょうじ)元年9月15日死去。85歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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