精選版 日本国語大辞典 「随に」の意味・読み・例文・類語
まにま【随】 に
(連体修飾句を受け、全体が連用修飾句として用いられる)
※万葉(8C後)五・八〇〇「天へ行かば 汝(な)が麻爾麻爾(マニマニ) 地(つち)ならば 大君います」
※万葉(8C後)一四・三五七六「苗代のこなぎが花をきぬにすり馴るる麻爾末仁(マニマニ)あせかかなしけ」
③ 思いのままに。任意に。
[語誌](1)奈良時代の口頭語で、「万葉集」や「続日本紀」宣命では「まにま」と「まにまに」が併用されている。用例からすると「まにま」の方が新しいが、「まにま」から「まにまに」へ転じたとする説と、「まにまに」から「まにま」へ転じたとする説とがある。
(2)平安時代には訓点資料で見ると、九世紀中頃より「まにまに」から「ままに」へ移行したと推察される。但し、訓点資料では「ほしきまにまに」や「ほしきままに」の固定した形で使用されていて、「まにまに」や「ままに」の単独用法には乏しい。
(3)和歌では「古今集」に「まにまに」が六例、「ままに」が一例みえるが、その後は「まにまに」は減少し、一二世紀初頭には歌の中でも使用されなくなり、「ままに」にとって代わられる。
(4)平安時代の散文では、「まにまに」は少なく歌の中での使用に限定される。その例も「伊勢」「大和」「宇津保」「蜻蛉」に少数例あるが「枕」や「源氏」には見えない。「ままに」は対照的に散文に多用されている。
(2)平安時代には訓点資料で見ると、九世紀中頃より「まにまに」から「ままに」へ移行したと推察される。但し、訓点資料では「ほしきまにまに」や「ほしきままに」の固定した形で使用されていて、「まにまに」や「ままに」の単独用法には乏しい。
(3)和歌では「古今集」に「まにまに」が六例、「ままに」が一例みえるが、その後は「まにまに」は減少し、一二世紀初頭には歌の中でも使用されなくなり、「ままに」にとって代わられる。
(4)平安時代の散文では、「まにまに」は少なく歌の中での使用に限定される。その例も「伊勢」「大和」「宇津保」「蜻蛉」に少数例あるが「枕」や「源氏」には見えない。「ままに」は対照的に散文に多用されている。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報