雄山(読み)ゆうざん

精選版 日本国語大辞典 「雄山」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐ざん【雄山】

[1] 物を産出しない山。⇔雌山(しざん)
※随筆・松屋筆記(1818‐45頃)八一「富士山は雄山也物を産せず伊豆の天城山は雌山也物を産する事おほし」 〔仏祖統紀‐法運通塞志八・代宗〕
[2] 京都嵯峨の、高雄山の略称。

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日本歴史地名大系 「雄山」の解説

雄山
おやま

立山本峰の一で、その南端のピーク。一等三角点は標高二九九一・六メートル、絶頂は標高三〇〇三メートル。絶頂に雄山神社みね本社が鎮座するため、狭義の立山はこの峰をさし、立山登山とは通常この峰に登ることであった。標高二九九二メートルの地点には社務所が建つ。寛文六年(一六六六)の立山ざら越之図(山岸家蔵)は「立山御前」と記載。元禄一三年(一七〇〇)の立山禅定並後立山黒部谷等絵図(県立図書館蔵)は「立山」と記す。そのほか江戸時代の絵図は「立山」と記したものが最も多く、「立山御前」が次ぎ、「峯本社」「御本社」など社殿名をもって山名に代えた例も少なくないが、「雄山」と記した例は少ない。「万葉集」にみえる立山・多知夜麻たちやまは連峰の総称であろう。「延喜式」神名帳の新川にいかわ郡に「雄山神社」が記載され、「日本紀略」寛平元年(八八九)八月二二日条に雄山神昇叙の記事がみえるが、雄山神と立山の関係は必ずしも明確ではない。

雄山
おやま

三宅島の中央に位置する複式火山で、標高八一三・九メートル。現在も活発な噴火活動を繰返している。明治一一年(一八七八)の「伊豆七島記」によると、一一世紀以降の噴火は一二回といい、活動年を応徳二年(一〇八五)・久寿元年(一一五四)一〇月・応仁三年(一四六九)一一月・天文四年(一五三五)二月・文禄四年(一五九五)一〇月・寛永二〇年(一六四三)二月・天和四年(一六八四)二月・正徳元年(一七一一)一二月・宝暦一三年(一七六三)・安永六年(一七七七)・文化八年(一八一一)一月・天保六年(一八三五)九月と列挙している。

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百科事典マイペディア 「雄山」の意味・わかりやすい解説

雄山【おやま】

立山主要部の一峰。標高3003m。山頂古代からの雄山神社をまつり,東側に御前沢カール,西側に山崎カール天然記念物)がある。
→関連項目山崎カール

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事典・日本の観光資源 「雄山」の解説

雄山

(富山県中新川郡立山町)
立山三山」指定の観光名所。

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