集会書(読み)しゅうかいしょ(英語表記)Ecclesiasticus

翻訳|Ecclesiasticus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「集会書」の意味・わかりやすい解説

集会書
しゅうかいしょ
Ecclesiasticus

旧約聖書外典または第2正典の一つ。『シラの子イエスの知恵の書』とも『ベン・シラの書』とも呼ばれる。前 190年頃パレスチナで書かれたと推定される。当時のユダヤ人のヘレニズム化に抗し,神からつかわされた知恵と律法を強調し,神殿儀式,祭司制などの伝統を擁護する。 51章から成り,前 43章には種々の格言教訓が,後8章にはイスラエル祖先賛歌が書かれている。新約聖書,特に『ヤコブの手紙』に本書の影響がみられる。ユダヤ教およびプロテスタントは正典のうちに数えないが,カトリックトリエント公会議 (1545~63) で正式に正典と認め,ウルガタ訳を通して典礼に頻繁に引用されており,その数は『詩篇』に次いで多い。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android