難ない(読み)がたない

精選版 日本国語大辞典 「難ない」の意味・読み・例文・類語

がた‐な・い【難ない】

〘接尾〙 (形容詞型活用) がたな・し
(形容詞ク活用型)(困難の意を表わす接尾語「がたい」の語幹に、はなはだしいの意をもつ接尾語「ない」が付いたもの) 動詞の連用形に付いて、その動作実現が困難であることを表わす。…しにくい。室町から江戸時代によく使われた。
古今著聞集(1254)九「『さらば、れいのやうに我なき由をいひて、件の男を入よ』といひければ、のがれがたなくて、いふままにことうけしらぬ」
[補注]「古今著聞集」などに見える初期用例はいずれも「逃れがたなし」であるところから、通説の他に「方無し」という成り立ちも考えられる。

かたく【難】 ない

(文語的表現) むずかしくない。容易である。
※東京年中行事(1911)〈若月紫蘭〉八月暦「其如何(いか)に盛んなもので有ったかが想像するに難(カタ)くないで有らう」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「難ない」の意味・読み・例文・類語

がた‐な・い【難ない】

[接尾]《形容詞型活用[文]がたな・し(ク活)。接尾語「がた(難)い」の語幹+接尾語「ない」》動詞の連用形に付いて、その動作の実現が困難である意を表す。…することがむずかしい。…しにくい。「離れ―・い」「忘れ―・い」
「頼み―・き人心」〈浄・先代萩

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android