雪駄・雪踏(読み)せった

精選版 日本国語大辞典 「雪駄・雪踏」の意味・読み・例文・類語

せっ‐た【雪駄・雪踏】

〘名〙 (「せっだ」とも) 竹皮草履の裏に、革をはった草履。丈夫で湿気が通らないようにしたもので千利休が工夫したと伝える。江戸時代、元祿一六八八‐一七〇四)以降、かかとに尻鉄(しりかね)を打つのが流行し、これを「ちゃらかね」といい、以後、尻鉄のないものは雪駄とはいわなくなった。せちだぞうり。せちだ。せきだ。
※かた言(1650)四「雪駄(セッタ)を、せきだといふはわろしといへど、苦しかるまじき歟」
※浮世草子・好色盛衰記(1688)二「素足雪踏(セツダ)の音たかく、禿も鼻紙めに立ほど入て」
[語誌]この語より古い例に「せきだ」があり、「席駄」と当てた例も多い。「むしろ(席)のはきもの(駄)」の意の「席駄」から「せちだ」「せっだ」「せった」と変化し、のちに「雪駄」と当てられたものと思われる。「雪駄」に「せきだ」のよみをつけた例もある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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