零式艦上戦闘機(読み)レイシキカンジョウセントウキ

デジタル大辞泉 「零式艦上戦闘機」の意味・読み・例文・類語

れいしき‐かんじょうせんとうき〔‐カンジヤウセントウキ〕【零式艦上戦闘機】

第二次大戦中の旧日本海軍の主力戦闘機。最大時速518キロ、航続距離2220キロ。1万余機が生産された。通称零戦れいせんゼロ戦

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「零式艦上戦闘機」の意味・わかりやすい解説

零式艦上戦闘機
れいしきかんじょうせんとうき

日本海軍の最も代表的な戦闘機。零戦,ゼロ戦とも呼ばれる。堀越二郎の設計になり,低翼単葉,引込脚で,超々ジュラルミンを世界で初めて使うなど多くの新機軸を有する。1940年に中国戦線に初出動してから太平洋戦争前半までは,航続距離,運動性などで世界のほかの戦闘機にまさる優れた能力をもっていた。その長航続性能は爆撃機随伴して渡洋爆撃に加わることもできたが,こうした戦略思想は他国の及ばぬところであった。また格闘戦の能力を高めるために重量を軽減し,操縦者を守る防弾鋼板や燃料タンクの防弾処理を一切省略した。したがって零戦と同能力をもった戦闘機が登場すると防御力の弱さが致命的となり,優位性は急速に失われた。そのためたびたび改良が加えられ,多くの派生型が生まれた。三菱重工業中島飛行機の両社で計 1万430機が生産された。なかでも 52型が最も多い。52型は,エンジンが中島栄(1130馬力)1,乗員 1,全長 9.12m,全幅 11m,総重量 2733kg,最高速度時速 564km,航続距離 1920km。武装は 20mm機関砲 2,7.7mm機関銃 2,30~60kg爆弾 2など。

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世界大百科事典(旧版)内の零式艦上戦闘機の言及

【ゼロ戦】より

…正式には零式(れいしき)艦上戦闘機といい零戦(れいせん)とも略称される。旧日本海軍が,日中戦争から太平洋戦争全期にわたって使用した艦上戦闘機。…

※「零式艦上戦闘機」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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