雷丘(読み)イカズチノオカ

デジタル大辞泉 「雷丘」の意味・読み・例文・類語

いかずち‐の‐おか〔いかづち‐をか〕【雷丘】

奈良県高市郡明日香あすかにある丘。雄略紀に、少子部連蜾蠃ちいさこべのむらじすがるがこの地で雷を捕らえたという記事がある。

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日本歴史地名大系 「雷丘」の解説

雷丘
いかずちのおか

[現在地名]明日香村大字雷

「日本霊異記」に

<資料は省略されています>

とあり、甘樫あまかし丘と飛鳥川を挟んで対岸にある標高約一〇五メートルの小丘に比定される。同様の説話が「日本書紀」雄略天皇七年七月条にもみえ、雷は三諸みもろ岳の神(大蛇)とされているが、直接雷丘とは結びつけていない。

万葉集」巻三に「天皇、雷岳に御遊しし時、柿本朝臣人麿の作る歌一首」として、

<資料は省略されています>

と詠まれている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「雷丘」の意味・わかりやすい解説

雷丘 (いかずちのおか)

奈良県高市郡明日香村大字雷の東に所在する標高105mの小山。《日本霊異記》上巻巻頭の説話に,小子部栖軽(ちいさこべのすがる)という人物が,雄略朝に,〈雷岡〉で雷神を捕らえたとみえている。《日本書紀》雄略天皇7年7月条にも,同様の伝承がみえているが,舞台は三諸(みもろ)山(三輪山)となっていて,若干異なる。《万葉集》巻三に,〈天皇,雷岳に御遊(いでま)しし時,柿本朝臣人麿の作る歌一首〉がみえるが,この〈雷岳〉については,〈かみおか〉とよみ,飛鳥の神奈備山(橘寺南東のミハ山が有力)とする説もある。
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