露草(読み)つゆくさ

精選版 日本国語大辞典 「露草」の意味・読み・例文・類語

つゆ‐くさ【露草】

〘名〙
ツユクサ科一年草。各地のやや湿った路傍や小川の縁に群がって生える。高さ一五~三〇センチメートル。茎は分枝し、下部は地にはう。葉は長さ五~七センチメートルの卵状披針形で、基部は鞘となって茎を抱く。夏、たたんだ編笠状の苞葉から突き出た青紫色の二花被が見えるが、これは花序の中の一つの花である。花は一日でしおれる。和名は、露を帯びた草の意で、古くは「つきくさ」といい、摺染(すりぞめ)や青花紙に用いた。漢名、鴨跖草ぼうしばな。あおばな。あいばな。はなだばな。うつしぐさ。ほたるぐさ。《季・秋》
※宇津保(970‐999頃)国譲下「御ともの人は、うすいろのあを、つゆくさしてとほやまにすれり」
植物なるこゆり(鳴子百合)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
※延喜式(927)一五「鴨頭草木綿廿枚」
④ 露。また、露の置いた草。
※浮世草子・好色二代男(1684)六「夢虫の命惜まれ、朱骨(しゅぼね)の地紙に取うつし。露草(クサ)をそそぎ、次第によはるをなげき」

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デジタル大辞泉 「露草」の意味・読み・例文・類語

つゆ‐くさ【露草】

ツユクサ科の一年草。道端に生え、高さ15~50センチ。葉は長卵形で、基部はさやとなって茎を囲む。夏、二つ折りほうに包まれた青い花をつける。花びらは3枚あるが、1枚は小さい。古くは花の汁をり染めに使用。ぼうしばな。かまつか。あおばな。あいばな。つきくさ。うつしぐさ。 秋》「―の露ひびきあふ岬の家/白葉女」
[類語]紫露草

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動植物名よみかた辞典 普及版 「露草」の解説

露草 (ツユクサ)

学名Commelina communis var.communis
植物。ツユクサ科の一年草,薬用植物

露草 (ツユクサ)

植物。ユリ科の多年草,園芸植物,薬用植物。ナルコユリ別称

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