青嵐(読み)アオアラシ

デジタル大辞泉 「青嵐」の意味・読み・例文・類語

あお‐あらし〔あを‐〕【青嵐】

初夏青葉を揺すって吹き渡るやや強い風。せいらん。 夏》「―定まる時や苗の色/嵐雪

せい‐らん【青嵐】

青々とした山の気。
青葉のころに吹きわたる風。あおあらし。

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精選版 日本国語大辞典 「青嵐」の意味・読み・例文・類語

せい‐らん【青嵐】

〘名〙 青々とした山気。また、新緑の頃、青葉の上を吹きわたる風。薫風。あおあらし。
※和漢朗詠(1018頃)下「夜極浦の波に宿すれば、青嵐吹いて皓月冷(すさま)じ〈慶滋為政〉」
平家(13C前)三「青嵐夢を破って、その面影も見えざりけり」 〔呂温‐裴氏海昏集序〕

あお‐あらし あを‥【青嵐】

〘名〙 (「青嵐(せいらん)」を訓読した語) 初夏の青葉を吹き渡る風。《季・夏》
※梵燈庵主袖下集(1384か)「青嵐、六月吹嵐を申也。発句によし」

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普及版 字通 「青嵐」の読み・字形・画数・意味

【青嵐】せいらん

青山の山気。唐・呂温〔裴氏海昏集の序〕昏に歐山の奇、脩江の、陽溪の(すい)、陽泉の靈り。竹洞塢(くわを)、仙壇舍、梵、嵐白雲の中に相ひ聞え、數百里えず。

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世界大百科事典(旧版)内の青嵐の言及

【風】より

…かつて海上輸送の帆船が上りの順風として利用した。 青嵐(あおあらし)5~7月の青葉のころに吹く南風。 あなじ(乾風)〈あなぜ〉〈あなし〉ともいう。…

【季語】より

…暮春),草餅。
[夏]
 薄暑(やや暑さを感じる初夏の候),麦秋(麦の刈入れ時),入梅(立春から135日目の梅雨の入り),梅雨(入梅から30日間),五月雨(さみだれ)(梅雨の雨),五月晴(さつきばれ)(梅雨の晴れ間),短夜(みじかよ),半夏生(はんげしよう)(夏至から11日目の物忌みの日),梅雨明,盛夏(夏の盛り),卯の花腐(くた)し(春雨と梅雨の間の長雨),青嵐(あおあらし)(青葉のころの強い風),薫風(さわやかな夏の南風),雹(ひよう),虹,雷,雲の峰(入道雲に同じ),日盛(ひざかり)(夏の日中の暑いさかり),油照(あぶらでり)(薄く曇ってむし暑い日和),炎天(真夏の燃えるような空),冷夏(異常に温度の低い夏),朝焼,夕焼,大暑(二十四節気の一つで夏の暑さのさかり),土用(立秋の前の18日間,暑中という),土用波(土用のころの高波),更衣(ころもがえ)(夏服に着がえること),雨乞,行水,虫干(土用干ともいう),花火,納涼(涼をとること),昼寝,氷室(ひむろ)(氷を貯蔵していた穴),清水(しみず),水中(あた)り(慣れないなま水で胃腸を損なうこと),早乙女(さおとめ)(田植えをする若い女性),さなぶり(田植えじまいの祝い,または休み日),祭(夏祭,もとは葵祭をさした),安居(あんご)(仏家の夏の修行),蛍狩,鵜飼,時鳥(ほととぎす),蟬,鯉幟(こいのぼり),夏越(なごし)(陰暦6月の晦日。茅(ち)の輪くぐりなどの祓(はらえ)が行われる),菖蒲湯(端午の節句の邪気払い),卯(う)の花,木下闇(こしたやみ)(夏の木立の昼なお暗いさま),鮓(すし),心太(ところてん)。…

※「青嵐」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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