青竜刀(読み)セイリュウトウ

デジタル大辞泉 「青竜刀」の意味・読み・例文・類語

せいりゅう‐とう〔‐タウ〕【青竜刀】

中国で古くから用いられた、なぎなた形で幅広大刀。柄に青竜の飾りがある。せいりょうとう。
[類語]名刀宝刀軍刀牛刀日本刀サーベル銃剣手裏剣真剣けんつるぎ刀剣太刀大刀たち大刀だいとう小刀しょうとう短刀懐刀ふところがたな懐剣脇差し小柄匕首あいくちどす人斬り包丁快刀業物木刀木剣木太刀竹光長刀なぎなた

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改訂新版 世界大百科事典 「青竜刀」の意味・わかりやすい解説

青竜刀 (せいりゅうとう)
qīng lóng dāo

中国在来の軍刀。多くは全長約80cm,その刀身(長さ約52cm,峰(みね)の厚さ5mm)は反りをもち鎬筋(しのぎすじ)がなく,先になるにつれて幅広い。刀柄(長さ約28cm)は紺色平紐(ひらひも)で巻かれるが,この柄頭は素環にして赤い平紐を巻く。革製の合せたたみ式の鞘にいれて革紐でこれを背にかつぐ。人を切るときにはその重力勢いによる。しかし中国では,通常青竜刀といえばこれと同種長刀(なぎなた)をさし,柄の短いこの種の軍刀は〈大刀〉という。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「青竜刀」の意味・わかりやすい解説

青竜刀
せいりゅうとう

中国の古刀。(1)長刀(なぎなた)状の刀。その名は中国近世の白話小説のなかに散見する。『三国志演義』第1回には、三国時代、蜀(しょく)の武将関羽(かんう)(?―219)が自分の刀として「青竜偃月(えんげつ)刀」をつくらせ、「冷豔鋸(れいえんきょ)」と名づけたとある。また、『水滸(すいこ)伝』第76回には、「青竜刀、偃月刀」と並記されている。青竜という称は、刃の形状からつけられたという。(2)重さで切る蕃刀(ばんとう)に似た大太刀(おおたち)に対し、日本人がつけた呼称。おそらく(1)の名称の転用で、始まりは江戸末期から明治初期にかけてのころであろう。柄頭(えがしら)は環で、刀身は反って先が広く、皮の鞘(さや)に入れて背負う。

中野 達]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「青竜刀」の意味・わかりやすい解説

青竜刀
せいりゅうとう

(1) 中国で古くから用いられた長柄薙刀 (なぎなた) 様の刀。特に三国時代の武将関羽の武器の「青竜偃月刀 (えんげつとう) 」の略称。 (2) 中国の刀の日本における俗称。刀身がそりをもち,なぎなた型に先へいくほど幅広くなる。片刃で,峰がきわめて厚い。鞘は獣皮製で合せて締めるようになっており,皮の紐でこれを背負う形式のもの。柄 (つか) に青竜の飾りのあるものが多いことからこの名がある。

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