青葛(読み)あおつづら

精選版 日本国語大辞典 「青葛」の意味・読み・例文・類語

あお‐つづら あを‥【青葛】

[1] 〘名〙
※枕(10C終)六六「山菅。日かげ。山藍浜木綿。葛。笹。あをつづら。〈略〉いとをかし」
② 植物「つづらふじ(葛藤)」の異名。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「あおつづらを大なる籠にくみて」
[2] (青葛は糸のように繰ることができるので) 「くる」「くるし」「くるる」などにかかる。
※後拾遺(1086)恋二・六九二「人めのみしげき深山の青つづら苦しき世をも思ひ佗びぬる〈章行女〉」

あお‐かずら あをかづら【青葛】

〘名〙
アワブキ科の落葉つる性低木。中国四国九州山野に生える。葉は革質の深緑色で、先がとがった楕円形。春、葉の出る前に黄色の五弁の小花をつける。実はえんどう豆大で、黒ずんだ緑色。つるが青いのでこの名がある。漢名、清風藤。あおきづる。〔百品考(1839)〕
② 植物「あおつづらふじ①」の異名。《季・夏》〔本草和名(918頃)〕

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デジタル大辞泉 「青葛」の意味・読み・例文・類語

あお‐つづら〔あを‐〕【青葛】

ツヅラフジ別名
「つる」を繰るところから「くる」「くるし」「くるる」などを導く序詞を構成する語。
「山がつの垣ほに這へる―人は来れども言伝てもなし」〈古今・恋四〉

あお‐かずら〔あをかづら〕【青葛】

アワブキ科の蔓性つるせいの落葉低木。他の木にからみついて伸び、葉は卵形。春、黄色の小花が咲き、実は青色。中国・四国・九州の山野に自生
ツヅラフジの別名。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「青葛」の解説

青葛 (アオカズラ)

学名Sabia japonica
植物。アワブキ科の落葉つる性植物

青葛 (アオツズラ)

植物。ツズラフジ科の落葉つる性植物,薬用植物。アオツズラフジの別称

青葛 (アオカズラ)

植物。ツズラフジ科の落葉つる性植物。ツズラフジの別称

青葛 (アオツズラ)

植物。蔓をもつ低木類の総称

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