精選版 日本国語大辞典 「青馬・白馬」の意味・読み・例文・類語
あお‐うま あを‥【青馬・白馬】
〘名〙
① 青毛の馬。毛の色が黒く、青みを帯びた馬。
② 白馬。また、葦毛の馬。
[語誌]一〇世紀中頃より漢字文献において「青馬」から「白馬」へと文字表記が統一される理由については、本居宣長、伴信友は馬自体が白馬に換えられたからであるというが、室町時代の「江次第鈔‐二・正月」に「七日節会〈略〉今貢二葦毛馬一也」とあり、後世においても葦毛馬が使用されていたことが分かる。したがって毛色自体の変化というよりも、平安初期の「田氏家集‐下・感喜勅賜白馬因上呈諸侍中」にも「驄毛」の馬を「白馬」というように、灰色系統の色名範囲が青から白に移行したことと、平安末期の「年中行事秘抄‐正月七日」所引「十節」などに見える白馬に対する神聖視などから意識的に「白馬」の文字表記を選択したものと考えられる。→あおうま(白馬)の節会(せちえ)。
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