青黛（読み）セイタイ

デジタル大辞泉

せい‐たい【青^×黛】

１ 青いまゆずみ。また、それでかいた眉。
２ まゆずみのような濃い青色。
３ 演劇で、化粧に使う藍色の顔料。月代さかやきに使う羽二重はぶたえに塗るほか、藍隈あいぐまや幽霊の顔などに用いる。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

せい‐たい【青黛】

〘名〙

① 濃い青色。青黒色。

※御伽草子・物くさ太郎（室町末）「せいたいのまゆずみは、はなやかにして、遠山の桜にことならず」 〔岑参‐感遇詩〕

② 青いまゆずみ。藍のかめに浮く泡を乾燥させたもの。また、それをつけた美しいまゆ。また、美女。

※和漢朗詠（1018頃）下「紈扇抛ち来って青黛露はる 羅帷巻き却けて翠屏明らかなり〈具平親王〉」 〔李白‐対酒詩〕

③ 役者などが、鬘をかぶる時、前額に巻いた羽二重に塗って、月代(さかやき)を青くする顔料。また、顔や顎のひげの剃りあとなどにも用いる。

※談義本・教訓雑長持（1752）五「此黒ひ顔に、白粉ぬり、唇に紅脂(べに)付て、頭に青黛(セイタイ)までぬり」

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【青黛】せいたい

青いまゆずみ。唐・白居易〔上陽の白髪人〕詩　小頭の履(あいり)（靴）、窄衣裳　、眉を點(か)きて、眉細く長し　外人は見ず、見なば應(まさ)に笑ふべし　天寶末年の、時世の妝(よそほ)ひ

字通「青」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」

世界大百科事典（旧版）内の青黛の言及

【眉墨】より

…水嶋流の礼法書《化粧眉作口伝》(1762)によると，捏墨のなかには紅や金箔，露草の花などを入れたものもあった。そのほかまゆの剃りあとを青く美しくみせるまゆ墨として青黛（せいたい）があった。これは藍染の際にできる藍花を干して固めた藍蠟（あいろう）から作られたものである。…

※「青黛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」