面河渓(読み)おもごけい

精選版 日本国語大辞典 「面河渓」の意味・読み・例文・類語

おもご‐けい【面河渓】

四国の最高峰石鎚山(いしづちやま)を源とし、愛媛県を南流する面河川の上流の渓谷。約一〇キロメートルにわたって滝、淵、急流の連続する景勝地石鎚国定公園一部

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デジタル大辞泉 「面河渓」の意味・読み・例文・類語

おもご‐けい【面河渓】

愛媛県、石鎚山を源とし南流する面河川の渓谷。断崖甌穴おうけつ多く、景勝地。

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日本歴史地名大系 「面河渓」の解説

面河渓
おもごけい

[現在地名]面河村大味川

面河川上流の渓谷。渓流と奇岩・原生林が織りなす自然の渓谷美で有名。国指定名勝地で石鎚いしづち国定公園の一部。

面河の名は、天明年間(一七八一―八九)松山円光えんこう寺の書僧明月の断簡に初めてみえ、これには「面子」と記されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「面河渓」の意味・わかりやすい解説

面河渓
おもごけい

四国の最高峰石鎚(いしづち)山の南麓(なんろく)を源流とする面河川上流部の渓谷。国の名勝。周囲を1500メートル以上の壮年期山地に囲まれ、滝や早瀬、淵(ふち)、曲流の連続するV字谷をなす。典型的な渓谷美景観を備え、1955年(昭和30)石鎚国定公園に指定された。渓谷下流関門では、両輝石安山岩板状節理が河川侵食により比高70メートルに達する絶壁となっている。関門の上流の想思渓では、安山岩の黒色から花崗(かこう)岩の白色に岩石が交代している。さらに上流には、高さ100メートル、幅200メートルにわたって花崗岩の大岩壁が露出した亀腹(かめばら)をはじめとして、渓谷の長さ10キロメートル足らずの間に、五色河原、蓬莱(ほうらい)峡、紅葉河原、下熊淵(しもくまふち)、虎ヶ淵(とらがふち)、御来光滝などの景勝地がある。

[深石一夫]


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改訂新版 世界大百科事典 「面河渓」の意味・わかりやすい解説

面河渓 (おもごけい)

愛媛県東部,久万高原市にあり,石鎚山に源を発する面河川流域の渓谷。標高1500m以上の壮年期の険しい山地に囲まれ,御来光滝,虎が淵などの滝と淵,早瀬の連続するV字谷となって流下する。花コウ岩,安山岩上を流れる渓流は1933年に名勝に指定され,55年石鎚国定公園に含まれた。
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百科事典マイペディア 「面河渓」の意味・わかりやすい解説

面河渓【おもごけい】

愛媛県上浮穴(かみうけな)郡久万高原町,石鎚山に発する面河川上流の渓谷。江戸時代には面子とも記され,明治末年から観光地として注目された。下流の関門から魚止滝まで約7kmにわたり壮年期の浸食地形を呈し,絶壁,滝が多く,原始林もみごとである。石鎚国定公園に属し,石鎚山への登山口でもある。
→関連項目四国山地仁淀川

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「面河渓」の意味・わかりやすい解説

面河渓
おもごけい

愛媛県中部久万高原町面河地区,仁淀川の上流の面河川に沿う渓谷。名勝で,石鎚国定公園に属する。入口にあたる関門から魚止滝付近まで約 10kmにわたる壮年期の浸食地形で,断崖,絶壁をなす。多くの景勝地があり,関門付近の板状節理,渓泉亭前の甌穴 (おうけつ) なども有名。地学,植物・動物学上の天然の博物館である。石鎚山への裏登山口で,1970年石鎚スカイラインが完成。旅館,国民宿舎などの施設もある。

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事典・日本の観光資源 「面河渓」の解説

面河渓

(愛媛県上浮穴郡久万高原町)
21世紀に残したい日本の自然100選」指定の観光名所。

面河渓

(愛媛県上浮穴郡久万高原町)
日本百景」指定の観光名所。

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