面積分(読み)めんせきぶん(英語表記)surface integral

改訂新版 世界大百科事典 「面積分」の意味・わかりやすい解説

面積分 (めんせきぶん)
surface integral

xyz空間で滑らかな曲面Sが媒介変数uvによりxxuv),yyuv),zzuv)(α≦u≦β,γ≦v≦δ)と表されているとする。ここで,

 E=(xu2+(yu2+(zu2

 Fxuxvyuyvzuzv

 G=(xv2+(yv2+(zv2

 (ただし,例えばxuxvは∂x/∂u,∂x/∂vを表す)

とおくと,曲面Sの上での面積要素はで与えられる。fxyz)をS上で定義された連続関数とし,

 guv)≡fxuv),yuv),

  zuv))

とおく。このとき,と定義し,これをfS上での面積分という。とくに曲面Sz=φ(xy)((xy)∈D)で与えられているときは,この面積分は,で与えられる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「面積分」の意味・わかりやすい解説

面積分
めんせきぶん
surface integral

三次元空間において、曲面x=x(u,v),y=y(u,v),z=z(u,v)が与えられたとして、この曲面を含む空間内の一つの領域Dにおいて定義された連続関数f(x,y,z)があるとき、これをこの曲面上で積分することを考える。

 いま、u、vがu‐v平面内のある領域Mを動くとき、対応して曲面上の部分SMが描かれるものとする。Mを細かい網目(あみめ)に分割し(平面上の面積を考えたときのように)、対応して得られる曲面上の小部分Skと、Sk内の一点Pkをとって、Σf(Pk)Skを考えると、これは網目を一様に細かくしていくとき、ある極限値に収束する。この値をf(x,y,z)の曲面SM上における面積分といって、

で表す。次に、

という形の面積分を定義する。そのために、この曲面の各点における単位法線ベクトルをn=(λ,μ,ν)とする。そして

と定める。dzdx,dxdyに関する積分は、λをそれぞれμ、νで置き換えたものとする。

[竹之内脩]

ガウスの定理

空間内の有界な領域DでC1級関数(連続な偏導関数を有する関数)f(x,y,z)が与えられているとする。D内に、閉曲面Sによって囲まれた部分領域Vを考えるとき、

などが成り立つ。

 これは、線積分の場合のグリーンの公式に対応するものであり、重積分計算において重要である。また、ストークス定理とよばれる定理も著名でよく用いられる。

[竹之内脩]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「面積分」の意味・わかりやすい解説

面積分
めんせきぶん
surface integral

曲面に沿う微分式の積分のことをいう。たとえば3次元空間で,曲面 Sxf(uv) ,yg(uv) ,zh(uv) ((uv)∈D) があるとき,
が考えられるので,微分式 FdydzGdzdxHdxdy に対して,
として,この微分式の積分が考えられる。これをこの微分式の S の上での面積分という。また面素 dS2=(dydz)2+(dzdx)2+(dxdy)2 に対して,密度 F を積分したものとして
を考えることができる。特に
が,曲面 S の面積である。

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