韓国学生運動(読み)かんこくがくせいうんどう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「韓国学生運動」の意味・わかりやすい解説

韓国学生運動
かんこくがくせいうんどう

韓国の学生運動は反日闘争,李承晩政権打倒など韓国の独立と民主化に大きな役割を演じてきた。 1980年の光州事件以後,学生運動は先鋭化し,85年のソウル米文化センター占拠事件をきっかけに「三民闘」 (民族統一,民主争奪,民衆解放闘争委員会) の存在が浮び上がった。しかし,同組織は闘争の対象をめぐって「自民闘」 (反米自主化・反ファッショ民主化闘争委) と「民民闘」 (反帝反ファッショ・民族民主闘争委) に分裂両者の主導権争いが始った。 87年8月に結成された「全大協」 (全国大学生代表者協議会) では「自民闘」が主導権を握り,同 12月の大統領選挙で一時分裂したが,南北学生会談推進を軸に 88年に再統合,翌 89年7月,平壌で開催された第 13回世界青年学生祭典には,極秘に林秀卿を代表として派遣,板門店を通って帰還させるなど,衝撃を与えた。 91年4月,警官隊によるデモ学生集団撲殺事件をきっかけに市民を巻込んだ大規模な反政府闘争を展開したが,あまりにも過激な路線が民衆からの支持を失い,やがて衰退した。 93年4月,「全大協」は「韓総連」 (韓国大学総学生連合) に衣替えしたが,親北朝鮮色,イデオロギー色を薄め,学生生活全般の問題に運動の重点を移している。

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