音羽川(読み)おとわがわ

精選版 日本国語大辞典 「音羽川」の意味・読み・例文・類語

おとわ‐がわ おとはがは【音羽川】

[一] 京都市山科区を流れる川。音羽山に発し、西流して四ノ宮川と合流して山科川に注ぐ。
[二] 京都市左京区八瀬付近から修学院方向へ流れて高野川に注ぐ小川

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日本歴史地名大系 「音羽川」の解説

音羽川
おとわがわ

四明しめだけに発し、一乗寺の谷々の水を集め、修学院離宮の南を西に流れて太田川に合する。近世の「山城名跡巡行志」は「音羽河 在雲母路鷺森北、水源自比叡山゛、めぐりて 修学院西高野河」と記す。

山科にも音羽川があり、いずれも歌枕であるが(山科区の→音羽川、「和歌初学抄」「和歌色葉」「八雲御抄」など歌学書は「西坂本」と注して当地の川をさしている。

音羽川
おとわがわ

標高七八九・二メートルの本宮ほんぐう山の西南に連なる標高四一一メートルの観音かんのん山、標高四五四・二メートルの五井ごい山、標高三六一メートルの宮路みやじ山等より出る細流を併せて、音羽町、豊川市の御油ごゆ町・国府こう町を経て、御津みと町の御馬おんまで三河湾に注ぐ。延長一二・五キロ。旧河道は白鳥しろとり台地に沿って東に流れ、下佐脇しもさわき地内を通って三河湾に注いでいたようであり、白鳥台地上にあった国府から物資を河口近くの御津に運ぶ交通路として利用されていた。中世までは佐脇まで舟運があったとの伝承も存する。近世ではもっぱら流域灌漑用水として利用されたが十分でなく、下佐脇村と国府の間では大規模な水論も起こっている。

音羽川
おとわがわ

山城志」に「音羽川 源自音羽山・音羽滝、経過小山・大塚・音羽・東野・椥辻等、至勧修寺入山科川」とあり、音羽山から西流し、山科川に流入するまでをいう。

ところで、音羽川は西坂本(現左京区)にもあり、ともに歌枕となっている。歌学書「和歌初学抄」「八雲御抄」「和歌色葉」はいずれも音羽川に西坂本と注している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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