項元汴(読み)こうげんべん(英語表記)Xiàng Yuán biàn

改訂新版 世界大百科事典 「項元汴」の意味・わかりやすい解説

項元汴 (こうげんべん)
Xiàng Yuán biàn
生没年:1525-90

中国,明後期の画家,収蔵家。字は子京,号は墨林山人。室名は天籟閣。浙江省嘉興の人。書画に長じたが,もっとも賞鑑に詳しく,質・量ともに並ぶ者なき法書・名画を収集した。またおびただしい鑑蔵印を押したことでも知られる。しかし1648年(順治5),清兵が南下したとき,略奪にあい収蔵品は四散した。項一族は代々名族で,後に子の項徳新,孫の項聖謨など画家を輩出した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「項元汴」の意味・わかりやすい解説

項元汴
こうげんべん
Xiang Yuan-bian

[生]嘉靖4(1525)
[没]万暦18(1590)
中国,明の文人画家,書家,収蔵家。嘉興 (浙江省) の人。字は子京,号は墨林居士。富家に生れその財力で書画を収集し,明代第一と称されたが明末の乱に四散。現存する書画には彼の蔵印を押したものが多数残っている。黄公望倪 瓚,ことに後者画法を学び,梅蘭竹石図などにすぐれた手腕を示した。

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