順流(読み)じゅんりゅう

精選版 日本国語大辞典 「順流」の意味・読み・例文・類語

じゅん‐りゅう ‥リウ【順流】

〘名〙
① 水が順路に沿って流れていくこと。
史記抄(1477)七「李斐は河山之険で地勢が高によって順流にして下ることが易きほどに」 〔新語道基
② 水の流れに従って下ること。流れに身をまかせること。転じて、世の推移に従うこと。また、物事がとどこおりなく進み動く様子
史記抄(1477)一〇「語不近人情ほどに過て迂回て順流にも義理がないほどに」
青年(1910‐11)〈森鴎外〉七「自分が棹をさして下って行く順流(ジュンリウ)を、演説者同舟の人になって下って行く」 〔爾雅‐釈水〕

じゅん‐る【順流】

〘名〙 (「る」は「流」の呉音) 仏語。煩悩生死の流れに従い、迷いの上にも迷いを重ねること。生死の迷いにまかせて六道輪廻すること。⇔逆流(ぎゃくる)
※応仁略記(1467‐70頃か)上「多く魔風に順流せり。逆縁を翻して、是を善縁としる人は千万が中の其一つ也」

ずん‐なが・る【順流】

〘自ラ下二〙 (「ずん」は、「じゅん」の直音表記) つぎつぎと順序を追って移っていく。酒宴の席で、杯が次から次へとめぐっていく場合や、歌などを次から次へとうたっていく場合などに用いられる。
※源氏(1001‐14頃)藤裏葉「つぎつぎずんながるめれどゑひのまぎれにはかばかしからで」

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デジタル大辞泉 「順流」の意味・読み・例文・類語

じゅん‐りゅう〔‐リウ〕【順流】

[名](スル)
水が順路に従って流れていくこと。また、その流れ。
水の流れに従って下ること。転じて、世の移り変わりに身をまかせること。「いかだで順流する」

じゅん‐る【順流】

仏語。生死・輪廻の流れに従い、悟りへの道にそむくこと。→逆流ぎゃくる

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普及版 字通 「順流」の読み・字形・画数・意味

【順流】じゆんりゆう(りう)

流れに従う。時勢に従う。〔史記、相国世家論賛〕()何、管鑰(くわんやく)(鍵)を守し、民の秦法を疾(にく)むに因り、れに順ひて之れと始す。~位、群臣に冠たり、聲、後世に施す。

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