顕生累代(読み)けんせいるいだい(英語表記)Phanerozoic Eon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「顕生累代」の意味・わかりやすい解説

顕生累代
けんせいるいだい
Phanerozoic Eon

地球の誕生以後を,先地質時代すなわち宇宙時代と地質時代に分けていう場合がある。前者は,およそ 46億年前から 35億年ほど前までで,後者は約 35億年以後現在までをいう。地質時代は始まって以来かなりの期間 (約 29億年) を経たのち (約6億年前から) ,化石の多産する時代,すなわち顕生累代に達した。語源は,「顕著な (phaneros) ,生物 (zoe) 」というギリシア語。生物が顕著に存在していたため,地層中に化石がたくさん残されていることに由来する。具体的には,古生代中生代新生代に三区分され,カンブリア紀以降,第四紀完新世までを指す。

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世界大百科事典(旧版)内の顕生累代の言及

【古生代】より

…地質時代の一区分で,顕生累代Phanerozoic eons最初の代。年代でいうと,今から約5億9000万年前から約2億4800万年前までの,およそ3億4200万年間に相当する。…

【地質時代】より

…累界,界,系,統,階は年代層序区分,累代,代,紀,世,期は年代区分である。
[隠生累代]
 地質系統,つまり地質時代の編年表の大区分は,累代Eonあるいは累界Eonothemで,〈生命の存在した証拠が判然としない〉という意味のCryptozoic(隠生累代)と〈生命の存在した痕跡が明らかな〉という意味のPhanerozoic(顕生累代)に2分される。ところが顕生累代の名が世界的に受け入れられているのに,隠生累代はほとんど忘れられて,かわりに先カンブリア時代Precambrianがよく使われる。…

※「顕生累代」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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