(読み)やわし

精選版 日本国語大辞典 「飢」の意味・読み・例文・類語

やわ・し【飢】

〘形ク〙 飢えている。空腹である。ひもじい。ひだるい。
書紀(720)神代上(兼方本訓)「飢(ヤワシ)かし時に生(む)めし児を、倉稲魂(うかのみたまの)命と号(まう)す」

【飢】

=うえる(飢)〔動〕の連用形「うえ」
古事記(712)中・歌謡「戦へば 我はや恵(ヱ)島つ鳥 鵜養が伴 今助(す)けに来(こ)ね」

う・ゆ【飢】

〘自ヤ下二〙 (ワ行下二段動詞「うう(飢)」から転じて、室町頃から用いられた語。多くの場合、終止形は「うゆる」の形をとる) =うえる(飢)〔黒本本節用集(室町)〕

うや・す【飢】

〘他サ四〙 飢えさせる。空腹にさせる。うやかす。
※康頼宝物集(1179頃)上「徳尸羅城の餓鬼は、五百歳間食を得ずして子をうやし

う・う【飢】

〘自ワ下二〙 ⇒うえる(飢)

き【飢】

〘名〙 食物がなくて苦しむこと。うえること。〔日葡辞書(1603‐04)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「飢」の意味・読み・例文・類語

き【飢】[漢字項目]

常用漢字] [音](呉)(漢) [訓]うえる
食物が少なくてひもじい思いをする。うえる。「飢餓飢渇飢寒
不作食糧が乏しいこと。「飢饉ききん
[補説]「」と通用する。

え〔ゑ〕【飢】

動詞「」の連用形「うえ」の音変化。
「い行きまもらひ戦へば我はや―ぬ」〈・中・歌謡〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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