養方軒パウロ(読み)ようほうけん・ぱうろ

朝日日本歴史人物事典 「養方軒パウロ」の解説

養方軒パウロ

没年:慶長1(1596)
生年:永正5頃(1508)
室町後期から安土桃山時代キリシタン本名不詳,イエズス会目録類には「Yofoqen Paulo」「Yofo」とある。若狭(福井県)生まれの医師。永禄3(1560)年にG.ヴィレラから受洗,同8年アルメイダ神父に伴われ,豊後(大分県)に下りイエズス会に入会。同地のコレジョで日本語の教授をするとともに翻訳に従事した。現存最古のキリシタン版サントスの御作業』(1591刊)の4編の聖人伝が彼の訳と記されている。そのほか,J.ロドリゲスの『日本大文典』などに断片的にパウロの文が引用されていることから,存在の推定される「物語」があるとされる。キリシタン版の作品に翻訳者として名を記されている数少ない者のひとり。<参考文献>土井忠生『吉利支丹文献考』

(大塚光信)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「養方軒パウロ」の解説

養方軒パウロ ようほうけん-パウロ

?-1595 戦国-織豊時代のキリシタン。
永禄(えいろく)3年京都で受洗。堺(さかい)で医業に従事したのち,島原におもむきイエズス会にはいる。豊後(ぶんご)(大分県)府内のコレジヨの日本語教師となり,キリシタン文献・聖人伝などの翻訳や編集にあたった。文禄(ぶんろく)4年死去。若狭(わかさ)(福井県)出身。本名は不詳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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