餌袋(読み)えぶくろ

精選版 日本国語大辞典 「餌袋」の意味・読み・例文・類語

え‐ぶくろ ゑ‥【餌袋】

〘名〙
① 鷹狩りの時に携行するいれもの。竹籠製という。鷹のえさや獲物を入れるのに用いた。えふご。
※宇津保(970‐999頃)国譲下「人、小鷹手にすゑつつ〈略〉野辺ごとにあさらせ給ひて、御えぶくろにいれさせ給へり」
② 旅行、外出などの際、食料を入れておく携帯用の容器弁当を入れる袋。
蜻蛉(974頃)中「えぶくろなる物とりいでてくひなどするほどに」
③ 鳥、魚などの胃袋。また、人間の胃を卑俗にいった語。〔日葡辞書(1603‐04)〕
[補注]①については「落窪物語大成‐一」に「通常の餌袋は籠にて作り、口にはきぬなどつけてしたるもの、又籠を用ひず、きぬ布などにても作ることありと屋代弘賢いへり」とある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「餌袋」の意味・読み・例文・類語

え‐ぶくろ〔ゑ‐〕【餌袋】

鷹狩りに際して携行した、鷹のえさや獲物を収める竹かごなどの容器。のちには、弁当などを入れて携行した。えふご。
魚・鳥の胃袋。また、人の胃袋を卑しめていった語。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android