馬建忠（読み）バケンチュウ（英語表記）Ma Jian-zhong; Ma Chien-chung

デジタル大辞泉

ば‐けんちゅう【馬建忠】

［1844～1900］中国、清末の学者・官僚。丹徒（江蘇省）の人。字あざなは眉叔。フランスに遊学し、ヨーロッパの学問方法を取り入れた多くの研究を残した。李鴻章りこうしょうの幕僚として外交面で活躍。著「馬氏文通」ほか。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

ば‐けんちゅう【馬建忠】

中国、清末の外交官、学者。字は眉叔。丹徒（江蘇省）の人。フランスに留学し、法律学に精通した。李鴻章の幕僚を務め、洋務派の理論家として活躍した。著に中国語文法書の「馬氏文通」や「適可斎記言」など。（一八四四‐一九〇〇）

出典　精選版 日本国語大辞典

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

馬建忠
ばけんちゅう
Ma Jian-zhong; Ma Chien-chung

[生]道光25(1845)
[没]光緒25(1899)
中国，清末の洋務派の官僚。江蘇省鎮江 (丹徒) の人。字は眉叔。幼時太平天国軍を避けて上海に移り，西洋の言語，学問を学ぶ。光緒1 (1875) 年李鴻章によりフランスに派遣され，国際法を学んで帰国すると李の幕友となり，外交を担当した。同7年インドで対英交渉，翌年朝鮮でアメリカ，イギリス，ドイツとの修好条約の仲介にあたり，壬午 (じんご) の変 (→京城事変 ) にも介入し，のちベトナムをめぐる対仏交渉に参加した。洋務論から変法論 (→変法自彊運動 ) への過渡的思想家としての役割を果すとともに，中国語の文法書『馬氏文通』 (10巻，98) を著わした。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

世界大百科事典（旧版）内の馬建忠の言及

【洋務運動】より

…また，外国留学については，容閎（ようこう）の建策により72年から14年間にわたり，合計120名の学生が送られた。77年には福建船政学堂からヨーロッパへ留学生が派遣され，馬建忠(1845‐1900。随行員，鉄道建設を主張)，厳復などが参加している。…

※「馬建忠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」