驥尾に付す(読み)きびにふす

精選版 日本国語大辞典 「驥尾に付す」の意味・読み・例文・類語

きび【驥尾】 に=付(ふ)す[=付(つ)く・=託(たく)す]

(青ばえが、自分自身の力では遠くへ飛べないにもかかわらず、名馬の尾について行けば、一日千里も行くことができる、というところから) 愚者でも、賢人について行けば、何かはやりとげることができる、というたとえ。すぐれた人につき従って行動をする。また、すぐれた人の行なった仕事などを見習ってする。けんそんしていうことば
明衡往来(11C中か)上本「聊欲驥尾。殊有允容所望可足」 〔史記‐伯夷伝〕

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デジタル大辞泉 「驥尾に付す」の意味・読み・例文・類語

驥尾きび・す

青蠅が名馬の尾につかまって1日で千里の遠方に行ったという、「史記」伯夷伝の故事から》すぐれた人に従って行けば、何かはなしとげられる。先達を見習って行動することを、へりくだった気持ちでいう言葉。驥尾にく。
[類語]付和雷同矮人わいじん観場かんじょう同意賛同支持賛成雷同便乗聴従適従追随追従下手に出る後塵を拝する人のふんどしで相撲を取る尻馬に乗る

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故事成語を知る辞典 「驥尾に付す」の解説

驥尾に付す

それほど才能がない者でも、才能がある者について行けば、何かをやりとげることができることのたとえ。

[使用例] 事実、謙遜ではないのだ。驥尾に付したというのが正直なところで、功名など取り立てていうべきものはない[司馬遼太郎国盗り物語|1963~66]

[由来] 「史記はく伝」の一節から。学問好きで知られるがんかいが孔子に弟子として仕えていたことを、「驥尾に付して(名馬の尾にくっついて)」いたとたとえ、だからこそ、顔回の評判は後世に伝わっているのだ、というのが、その内容。続いて、歴史上には、そういうふうに偉人と関係を持たなかったために忘れ去られてしまった人物が多いことを、嘆いています。「驥」は、一日に千里を走るという名馬のこと。

〔異形〕驥尾に付く。

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