たかまと‐やま【高円山】
※
万葉(8C後)二・二三〇「
得物矢(さつや)手ばさみ 立ち向ふ 高円山
(たかまとやま)に」
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デジタル大辞泉
「高円山」の意味・読み・例文・類語
たかまど‐やま【高円山】
《古くは「たかまとやま」》奈良市春日山の南に続く山。西麓に聖武天皇の離宮があった。[歌枕]
「ますらをのさつ矢手挟み立ち向かふ―に春野焼く」〈万・二三〇〉
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高円山
たかまどやま
白毫寺町の東方に位置し、標高四三二・二メートル。北は能登川で春日山に対峙する。近世の用益権については、嶺上から西は白毫寺村領、東は大乗院領(現国有林)および京終村、南は西九条村(西九条・東九条・杏・八条の四ヵ村立会、俗に四ヶ郷山という)と肘塚村に属した。白毫寺村の白毫寺は高円山の中腹にあることから、高円の地名を寺の山号としている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
高円山 (たかまどやま)
奈良市街地の南東,春日山(かすがやま)の南にある標高432mの山。中腹には,天智天皇の皇子志貴皇子(しきのみこ)の離宮を寺としたと伝えられる白毫(びやくごう)寺がある。《万葉集》には,聖武天皇が〈高円の野〉で遊猟したときの歌や,同天皇の離宮と考えられる〈高円の宮〉を詠んだ歌などがみえる。歌枕で,萩や月など秋の景物がよく詠まれる。
→春日
執筆者:櫛木 謙周
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高円山
たかまどやま
奈良市街地の東にある山。標高432メートル。雑木林に覆われる花崗(かこう)岩類の山で、高円山ドライブウェーが山頂まで通じる。頂上は展望に優れる。『万葉集』に多く詠まれており、聖武(しょうむ)天皇の離宮尾上宮(おのうえのみや)があった所と伝えられる。西側中腹に五色椿(つばき)と萩(はぎ)で知られる真言(しんごん)律宗の高円山白毫寺(びゃくごうじ)がある。
[菊地一郎]
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高円山
たかまどやま
奈良市の中心市街地の南東部,春日山の南に連なる山。標高 432m。花崗岩類から成り,雑木林におおわれる。山頂の展望にすぐれ,西麓にハギと五色ツバキで知られる白毫寺がある。奈良奥山ドライブウェーが通じ,春日山とともに万葉散策コースとなっている。
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