高台(読み)こうだい

精選版 日本国語大辞典 「高台」の意味・読み・例文・類語

こう‐だい カウ‥【高台】

[1] 〘名〙 (古くは「こうたい」とも)
① 高い台。高くつくられた櫓(やぐら)や建物。たかどの。
※参天台五台山記(1072‐73)一「造立高台人形長五寸許」
② 高くて平坦な土地。たかだい
※性霊集‐一(835頃)秋日観神泉苑「高台神構非人力。池鏡泓澄含日暉
王侯のすわる席。
サントスの御作業(1591)二「コレ ミナ deus ト ヲン ミノ Cordeiro ノcǒtai(カウタイ) ノ ヲン マエ ニ」
茶碗など陶器の底につけられた脚部。作者、時代、産地により特徴がある。
宗湛日記‐天正一五年(1587)三月二六日「かうたいつき雲形ばかり有」
⑤ 飯や汁などを入れる椀(わん)。〔物類称呼(1775)〕
[2] 〘代名〙 手紙などで、相手を敬って呼ぶ語。あなた。貴台

たか‐だい【高台】

〘名〙
① 高くしつらえた台。こうだい。
※歌舞伎・三人吉三廓初買(1860)四幕「身を捨札の高台(タカダイ)へ首を載せにゃあならねえ仕事」
② 周囲よりも高くて、表面がなだらかに続いている土地。だい。高地。こうだい。
※近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉九「榊原邸喜連川の邸などの高台(タカダイ)へ之を据ゑ」
取引所で、係員が売買取引の記帳のためすわっている一段高い所。高場。〔取引所用語字彙(1917)〕
家族会議(1935)〈横光利一〉「まだひき続いて底無しのやうに落ちていくと、高台の木入れが値の定めやうがなく」

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デジタル大辞泉 「高台」の意味・読み・例文・類語

たか‐だい【高台】

周囲よりも高く、平らになっている土地。だい。
取引所立会場で、指定銘柄の取引を行う係員がいる一段高い所。高場たかば
[類語]台地丘陵高地

こう‐だい〔カウ‐〕【高台】

[名]
高く組まれた建造物
高くて見晴らしのよい台地。たかだい。
茶碗・皿などの底にある基台。
[代]二人称人代名詞。手紙などで、相手を敬っていう語。貴台。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「高台」の意味・わかりやすい解説

高台
こうだい

焼物の器体を支える台。高台は支脚としての機能があるが、造形の隠された特色を示す箇所として、窯(かま)や作者の決め手となるばかりでなく、表現意欲の豊かな焼物では、高台のつくりにまで作為が及んでいる場合が多い。高台はその形によって輪高台(円形)、蛇の目高台(畳付(たたみつき)が幅広い円形)、片薄高台(内刳(うちぐ)りが片方に寄っていて高台に薄厚が生まれる。三日月形とも)、割(わり)高台(高台の一部に切り込みを入れる)、四方高台(四角形)、糸切(いときり)高台(不整形)などに分かれ、成形法の特色からは、削り出しの高台と、共土(ともつち)をもってつける付(つけ)高台に大別される。

[矢部良明]

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普及版 字通 「高台」の読み・字形・画数・意味

【高台】こう(かう)だい

高いうてな。魏・曹植〔雑詩、七首、一〕高臺、悲風多し 日、北林を照らす 之の子里に在り 江湖迥(はる)かにして且つ深し

字通「高」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高台」の意味・わかりやすい解説

高台
こうだい

茶碗や鉢の底につけられた低い円環状の台部。香台,光台とも書く。発生的には器体の安定を保つためのもの。古墳時代末期の土器に粘土を輪状にして器底に張付けたものがある。茶の湯で用いる茶碗では高台の形式,作風などが鑑賞上の見どころとされる。

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食器・調理器具がわかる辞典 「高台」の解説

こうだい【高台】

茶碗、鉢、皿などのうつわ類の安定のために、底に付ける基台

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