高士(読み)こうし

精選版 日本国語大辞典 「高士」の意味・読み・例文・類語

こう‐し カウ‥【高士】

〘名〙
① 志が高く、節操の堅い人。人格の高潔な人。
※菅家文草(900頃)五・銭「貪夫身有癖、高士口無言」
五重塔(1891‐92)〈幸田露伴〉七「高士(カウシ)世に容(い)れられざるの恨みも」 〔史記‐魯仲連伝〕
世間から離れて山林などに隠れ住んでいる人。隠者。
※六如庵詩鈔‐二編(1797)二・嵳峩別業四時雑興三十首「遁塵高士饒陳迹、詠勝名篇足国風
葬列(1906)〈石川啄木〉「全く世事を超脱した高士の俤」
仏語菩薩(ぼさつ)の旧訳。〔翻訳名義集‐一〕

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デジタル大辞泉 「高士」の意味・読み・例文・類語

こう‐し〔カウ‐〕【高士】

志が高くりっぱな人格を備えた人物。人格高潔な人。「高士世にれられず」
世俗を離れて生活している高潔な人物。隠君子
[類語]大人人士君子士人人間ひと人類人倫万物の霊長考えるあし米の虫ホモサピエンス人物じんもの

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普及版 字通 「高士」の読み・字形・画数・意味

【高士】こう(かう)し

高尚な人。民間の君子。〔後漢書、徐穉伝〕(郭)林宗に母の憂(死)るにび、穉、きて之れを弔ひ、生芻一束を廬に置きて去る。衆怪しみ、其の故を知らず。林宗曰く、此れ必ず南州の高士徐孺子ならんと。

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世界大百科事典(旧版)内の高士の言及

【逸民】より

…中国の隠者。知識階級に属しながら政治の世界を俗として仕官せず,民間に隠れて高潔に生きる人々で,隠逸,高逸,高士などともよばれる。聖天子の尭に招かれても,これをけがらわしいとした許由(きよゆう)や,周の武王の治世でもその粟をくらわなかった伯夷(はくい)・叔斉(しゆくせい)などが,その典型とされる。…

※「高士」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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